ノウハウ基礎知識

事業開発のKPI設計——
新規事業・アライアンス・DX推進、
プロセスごとの指標の考え方

2025.03.25📖 約8分

「KPIが設定されていない」か「KPIが多すぎて何を追っているかわからない」——BizDev担当者のKPI問題は、この二極に集約されます。どちらも、日々の業務がやりっぱなしになりやすく、成果の証明が難しくなります。

BizDevにKPIが設定しにくい理由はいくつかあります。成果が遅れて出る(ラグがある)、複数部門との共同責任である、定性的な成果が多い——これらはすべて本質的な難しさです。しかし「難しいから設定しない」では、評価もされず、組織への説明もできません。この記事では、職種・フェーズ別のKPI設計の考え方を解説します。

1. KPI設計の3原則

BizDevのKPIを設計する前に、3つの原則を押さえておく必要があります。

① ラグ指標とリード指標を区別する

ラグ指標とは「結果」を示す指標(例:ARR、提携件数)で、リード指標とは「結果につながる行動」を示す指標(例:インタビュー件数、提案書送付数)です。BizDevでは結果が出るまでのタイムラグが長いため、リード指標を追わないと「何もやっていない」ように見えてしまいます。

② コントロール可能なものを測る

「パートナー企業の意思決定スピード」はコントロールできません。しかし「提案書の提出数」「フォローアップの頻度」「クオリファイしたリードの数」はコントロールできます。自分が影響を及ぼせる指標を中心に設計することが重要です。

③ チームで合意できる数に絞る

BizDev部門のKPIは5〜7個以内に絞ることが理想的です。10個以上になると、何を優先すべきかが不明瞭になり、全部中途半端になります。「何を捨てるか」を決めることがKPI設計の本質です。

POINT

KPIを設計する際の最大の問いは「このKPIが改善したら、本当に事業は良くなるか」です。提携件数が増えても、活用されない提携ばかりなら事業は良くなりません。「件数」より「活性化率」を測る発想への転換が重要です。

2. 新規事業フェーズ別のKPI例

新規事業のKPIは、フェーズによって追うべき指標が全く異なります。検証期にARRを追うことは、典型的なミスです。

フェーズ主なゴール追うべき指標追わなくていい指標
検証期課題と解決策の仮説検証インタビュー件数・仮払い意向件数・インタビューで発見した課題数ARR・ユーザー数・売上
立ち上げ期PMF達成・初期顧客の定着アクティブ率・チャーン率・NPS・リファラル件数新規獲得件数・CAC
成長期スケール・Unit Economics改善ARR成長率・CAC・LTV/CAC比率・月次グロスマージンインタビュー件数

3. アライアンス・提携のKPI

提携のKPIで最もよくある問題は「提携件数」を追うことです。件数が多くても、実際に活用されていない提携が増えるだけでは意味がありません。

「活性化率」で考える

提携のKPIは「件数」ではなく「活性化率(アクティブな提携数/総提携数)」で考えることが有効です。

提携形態主なKPI補助指標
業務提携共同取組活動数・売上貢献額提携相手との接触頻度・共同案件化率
資本提携投資先の事業成長率・シナジー実現額経営会議参加頻度・情報共有件数
JV(合弁)JVの売上・利益・PMF進捗マイルストーン達成率

4. DX推進のKPI:効果計測の難しさと突破口

DX推進のKPIで最も難しいのは、「DXで何が変わったか」を数字で示すことです。IT投資の効果は、多くの場合「間接効果」として現れるため、因果関係の証明が難しい。

突破口は「間接指標の組み合わせ」です。単一の指標では不十分でも、複数の間接指標を組み合わせることで、効果の全体像を描けます。

EXAMPLE

ある製造業のIoT導入案件では、「直接的なコスト削減」の数値化が難しかったため、「現場の使用率95%以上」「検査工数30%削減」「不良品発見の平均時間を8時間から2時間に短縮」という3つの間接指標を組み合わせてKPIとしました。これらの組み合わせが、次の投資稟議の承認根拠になりました。

この記事のまとめ

KPI設計力を面接でどう伝えるか。

BizDevのKPI質問への回答の磨き方も含めて、
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